「空間が眼差している、かたちをつくる」〜村山翰(2016 年・I卒)-1

こんにちは、村⼭翰です。私は 2016 年にインテリア科を卒業後、舞台芸術や⾝体表現を専⾨とする場に進みました。空間を造形することと、創造された場を⾝体感覚によって感じ取ることへの強い興味が、その選択の根底にありました。その後、芸術家として活動していきたいと思い、現在は主に⾝体を被写体としたデジタルコラージュを制作しています。
同窓会 HP への寄稿にあたり、現在の私の創作と、昨年5⽉に開催した個展について記したいと思います。

――作品制作と個展開催について -前編――

私の作品は、写真をデジタル上で強⼒に加⼯し、様々な素材に印刷するもので、元のイメージを再構成する過程で起こる⼼理的変化や想起されるイメージに焦点を当てています。デジタル上の画像作品を、どの素材に印刷するか、展⽰空間でその作品をどのように設置し展開するかも⾮常に重要であり、⼀連の創作⾏為が私の作品です。インテリア科で学んだ経験は、素材の質感や特性、空間構成がもたらす⼼理的効果への関⼼として、今も私の核⼼に息づいています。

私⾃⾝2回⽬となる個展を2025年5⽉に、神楽坂にあるギャラリー√K Contemporaryさんの地下 1 階 SPACE√Kをお借りし開催しました。会場の雰囲気や広さに加え、来場者が会場へ至る道中の体験や地域性などを含めて考え、展⽰会場の選定には約1年を費やしました。会場全体の壁⾯と床はモルタルで仕上げられ、一見すると硬質な印象を受けますが、天窓から⾃然光が差し込むエリアがあり、柔らかさと開放感を併せ持つ魅⼒的な空間でした。約180㎡という広さにも、展示構成で様々な挑戦ができるなと随分ワクワクしていました。

この個展においては計画段階から、⼯芸⾼校時代の同級⽣に⼒を貸してもらいました。私⾃⾝ある程度 の造作や設営はできますが、無理難題や好き勝⼿な発想を膨らませがちな性分であるため、設営時の安 全⾯の検証、重量物の吊り下げや現実的な展⽰⽅法について、現場監督や内装のプロフェッショナルと して働く友⼈が、その知識と技術を発揮してくれました。⼯芸を卒業後ほとんど会う機会がありません でしたが、10年近くの時を経ても、⾼校時代と同じように、ものづくりの現場において⾃然なやりとり ができ、信頼して⾃分の考えを委ねられるということは、かけがえのないことだなとしみじみ思いました。



つづく