「佐藤ジョアナ玲子さん(A科・2015年卒):ミシシッピ川下りの冒険記」

A科2015年卒の佐藤ジョアナ玲子さんは工芸を卒業後ネブラスカ州の大学に留学、その後アパートの更新をせずにホームレスになりカヤックとテントを住まいとしてミズーリ川・ミシシッピ川を川下りする冒険をしました。その顛末をまとめたのが『ホームレス女子大生川を下るin ミシシッピ川』(2021)です。ジョアナさんの冒険は若い女性はもちろん同窓生にも元気と勇気を与えてもらえると思います。

ジョアナさんからのメッセージ

私の大切な母校、工芸高校にちなんで、というワケではないのですが、この川下りの旅を通して気がついたことの一つは、船で長旅をする人たちのものづくりへの素養の深さです。
カヤックを自分で作る人もいるし、手漕ぎの舟の漁師さんのパドルも手作りだったりします。ここ数日は、港で知り合ったヨットの人と一緒に旅をしているのですが、実際に船を走らせるよりも長い時間メンテナンスでずーっと手を動かしています。ちなみに彼らの仕事は、大工さんと彫刻屋さん。旅をしていない時に、ボロボロの家を安く買って自分で直して賃貸にしたり、受注生産の大きな彫刻を作ったりしているそう。
ものづくりも舟旅も、自由で、国境を超えた文化的に豊かな生き方を見せてくれる。そういう意味で、どこか共通の精神性があるのです。
ぜひ、カヤック旅の世界にも興味を持っていただけたら嬉しいです!

・佐藤ジョアナ玲子『ホームレス女子大生川を下る』」(2021報知新聞社)は旅行記の文学賞である第7回「斎藤茂太賞」を受賞しました。