アート セッション イベント『prussian night あの夜の話』 訪問レポート

2023年4月、荒川区町屋にてギャラリーカフェcolifer102を営むイラストレーター 工田春(たくみだはる)さん(本名:鶴飼千春 2013年・D卒)のアート セッション イベント『prussian night あの夜の話』を訪問した杉原由美子(1992年・D卒)のレポートをお届けします。

会期:
2023年4月22日(土)、23日(日)
会場:
colifer102 東京都荒川区荒川4-49-4  https://colifer102.stars.ne.jp/
アーティスト:
Piano AINA、Vocal/Guiterカレ、Dance 真壁遙、Illustration 工田春

『prussian night あの夜の話』はダムに沈む村を舞台に、この村のたった一人の小学生と担任の教員が12星座について語らいながら、故郷での最後の夏を過ごす物語。先生への憧れ、家族への理由のない苛立ちなど、揺れる少女の心が、失われてゆく故郷の風景とギリシャ神話をモチーフに描かれていく、イラスト、音楽、ダンスによるアートセッションです。
本作は工田さんが2019年頃から構想した物語を軸に、カレ(本名:仲原かれん 2021年・D卒)さんのギターボーカルとAINAさんのピアノによる音楽、そして真壁遙さんと工田さんのコンテンポラリーダンスとで構成されています。完成作品はもとより発表までのプロセスも興味深く、パフォーマンスの後に行われたトークセッションで制作過程のお話を伺うこともできました。

私は工田さんが2021年にcolifer102をオープンされたときの事を思い返しながら、当時からこのカフェそのものが彼女の素敵な作品だと感じてきましたが、まさかここを舞台に、物語とダンス、音楽、絵画が融合したパフォーマンスアートが展開され、それを体験することになるとは予想もしていませんでした。これまで仕事で様々な舞台作品などを観てきましたが、こんなに感動したことは今まであっただろうか、と自問してもなかなか答えがみつかりません。お世辞でも贔屓でもなく、すばらしいパフォーマンスでした。「人の心を揺さぶるエンターテイメントはどうしたらつくれるのか」日頃から考えている課題ですが、大劇場ではない下町の小さなカフェで、その答えに繋がる大きな収穫が得られました。商業的な打算無く全身全霊で打ち込む純粋な姿はアートそのもの。芸術に関わる仕事に取り組むときには、どんなときも忘れてはいけないことだと思いました。
というわけで、急展開ではありますが、私たちはこの作品の自主制作アニメーションをつくろう!という事になりました。
まずはcolifer102でのショート作品の上映イベントを短期的な目標として掲げ、その後インターネットでの配信や、最終的には劇場、ホールでの上映に発展させることを目指します。
今後の進捗を当サイトおよびSNSなどで発信して参ります。

「工芸同窓会アニメ制作プロジェクト」ともいえる本企画にご興味、ご関心のある方は、ぜひご参加、ご協力ください。