連載-15 もっと知りたい都立工芸の歩み「体育祭を盛り上げる各科応援歌」工芸名物・デコレーションの下で

「高さ制限後のデコレーション」(1956年(昭31)10月7日/安藤良子(1959年・D卒)

工芸祭と並んで創立以来の「工芸名物」が体育祭だ。なによりも各科競演のデコレーションは毎年注目の的。そして、伝統のメディシンボールに声援が飛ぶ。競技を盛り上げるのは各科の応援歌だ。開催日が告知されると、各科共一斉に下級生を動員して競技応援の練習にはいる。応援は拍手と応援歌で。製図室や屋上などで、主として放課後に、ときには日曜日にも登校して練習した。いずれも1ヶ月近く日数をかけて、科の団結をはかった。あわせて競技の練習も始業前や放課後、屋上や校庭などで行う。各科入り乱れて校内は活気に満ちた。

A科応援歌

一、轟きわたる雷鳴の
  さけゆく嵐乗り越えて
  精鋭 緑の旗のもと 勝ち抜かん
  躍進 誓って燃え上がる
  ゆるがぬ栄光 金属工芸科
二、万里の荒波打ち砕き
  進まん歴史のいばら道
  勝利 めがけるこの闘志 天高く
  凱旋 誓って燃え上がる
  ゆるがぬ栄光 金属工芸科

M科応援歌1「暁光の歌」

一、暁光の輝く陽の下の
  帝都に名をなす我が母校
   (以下は繰り返し)
  その名も都立工芸の
  機械科健児を知らないか
  ふるえふるえよ健男子
二、光さえぎる雲を見て
  奮いて起てり意気の人
   (繰り返し)
  * ①  

M科応援歌2「機械科健児の歌」

一、若き力は地に積もり
  青春の気は天に満つ
  命を帯びて響かなば
  乾坤ともにとよむべし
二、花咲き霜に人も去り
  舵とる船子は変わるとも
  我が乗る船は永久に
  理想の極に進まんや
  * ②

F科応援歌(現I科)

輝くF科 桂樹を守るる
光を浴びて集える我等
おお!
その胸に精鋭の
金色の希望に燃ゆる
若き日の象徴を!
勝利とともに賛美せよ
健児 永遠に 永遠に!

P科応援歌(現G科)

一、青空はるかに霊峰富士を
  我今仰げば若き血おどる
  ああ我行きて工芸の華と
  起つ日は来たり印刷工芸科
二、ほほ打つ朝風胸打つ闘魂
  金機木図は何ものかわと
  ああ君行きて工芸の華と
  起つ日は来たり印刷工芸科

D科応援歌「コバルトの旗の下」

ー、コバルトの旗の下、こぞれ若人よ
  撞け、ひびけ理想の鐘 我が芸苑に
  輝く我等が行く手 さえぎる者なし
  踊れ! かけよ 進め 大地を蹴って
  空も轟に いざ! 声をそろえて
  デザイン科健児をたたえよや
  (繰り返し)
二、血汐にもゆる意気を 試す秋至る
  見よや我等が技倆を汚れなき競技
  白熱の眉あがらん 澄む蒼空の下
  躍れ! かけよ 進め 大地を蹴って
  空も揺らげど いざ! 声うちそろえ
  デザイン科健児をたたえよや
  (繰り返し)



*① 三、四番は「都立工芸100年の歩み」143ページを参照。
*② 三、四番は「都立工芸100年の歩み」144ページを参照。
*③ 三、四番は「都立工芸100年の歩み」382ページを参照。

※このコラムは「工芸学校80年史」「都立工芸100年の歩み」から文章と画像を引用して再構成しています。

※2022年8月6日の記事、「1969年の『卒業記念声のアルバム』を発見、応援合戦を聞いて下さい」では1969年の各科応援歌を聞くことができます
1969年の『卒業記念声のアルバム』を発見、応援合戦を聞いて下さい